リフレクソロジーの活かし方
介護施設でのリハビリについて
介護施設のリハビリでは、「自立・自立支援」が目標とされていることが多いです。そのため、健康状態を適切に管理しながら、機能訓練や生活リハビリなどを行い、入居者や利用者の方が自主性を持ち、生きがいを感じながら生活できるよう援助しています。
中でも特に重視されているのが、「自分の足で立って行動する」という点。「老化は足から」という言葉もあるように、歩行機能を維持することは自立した生活を送るには欠かせないため、歩行に関するリハビリや介助は特に力が入れられています。
そこで今回は、介護施設で行われているリハビリ内容や歩行介助などについて考えていきたいと思います。
◆介護の現場で歩行介助が重要視される理由
人の生活、日常において、あらゆる場面で「移動」が必要となります。その移動の中でも基本中の基本となるのが、「歩く」という動作です。公共交通機関を使う、自動車の運転をするなど、移動方法には様々なものがありますが、基本となる「歩く」という行動ができなければ、これらの方法をスムーズに利用することはできません。
また、スムーズに歩くことができなければ、転倒して怪我をする危険性もあります。そのため、自立支援を目標とする介護の現場では、安全で快適な歩行を支援する歩行介助が重視されているのです。
◆歩行介助のポイントと代表的な方法
歩行介助を快適に行うためには、以下のようなポイントに気をつける必要があります。
被介助者に対し、事前に援助動作の説明をしておく
介助者は被介助者の身体の状態を考慮し、ペースに合わせ、強引に誘導するといったことを避ける
履き物はゴム底の軽くて滑りにくい運動靴などを選ぶ。スリッパやサンダルといったかかとのないものは転倒の恐れがあるため使用しない
被介助者は、ゆったりとした動きやすい服装を心がける。特に裾が引っかかると危険なので、踏みつけて転倒しない適度な長さのズボンを着用する
室内で行う場合は明るい場所で行い、段差や階段、カーペットなど転倒の原因となるものに充分気をつける。つまずく恐れがあるものは、あらかじめ片付けておく
杖を使用する場合は、杖の先にすべり止めのゴムが付いていて、長さが被介助者に合っているものを使用する
前方から被介助者を支える場合
被介助者と介助者が向き合うように立ち、できるだけ被介助者の進行方向の視界を妨げないように注意します。介助者は被介助者のひじを下から軽く持ち、被介助者も介助者の腕を軽く持ちながら歩きやすいスピードで歩行をし、介助者はそれに合わせて後ろ向きで歩きます。
お互いの足がぶつかるのを避けるために、向かい合ったときに同じ足を動かすようにしましょう。
横から被介助者を支える場合
被介助者の隣に介助者が立ち、支えやすいように介助者は被介助者の方に身体を向け、少し斜めに構えます。介助者は片方の手を、被介助者の後ろから脇の下に手を差し入れて支え、もう片方の手は被介助者の手を軽く握ります。
介助者は被介助者を支えながら、被介助者の歩くリズムに合わせます。
杖を使った歩行の場合
介助者は、被介助者が杖を持っていない側に立ちます。
介助者は、片方の手を被介助者が杖を持っていない側の脇の下に差し込み、もう片方の手は握って支えます。
歩くときはまず杖を前方に出し、次に杖を持っていない方の足を出し、最後に杖を持っている方の足を一歩踏み出します。
転倒の心配があるときは、被介助者のベルトやズボンの上端をしっかりと持って支えるようにしましょう。
◆介護施設で活用されるリフレクソロジー
介護施設で行われるリハビリというと、作業療法士や理学療法士による訓練をイメージする方も多いかもしれません。しかし、最近では介護の現場でも人の身体に触れることで自然治癒力を高めるとされる「タッチセラピー」が注目され始めており、タッチセラピーを兼ねたリフレクソロジーを実施する施設も出てきています。また、リフレクソロジーをボランティア活動として施術している団体を受け入れている老人介護施設もあります。
(ただし、タッチセラピー自体がリハビリの効果を持つわけではありません。)
眠ってしまうほど心地よい指圧で、相手の身体に負担をかけずに施術することができるリフレクソロジーは、足のむくみの改善だけでなく、全身の血流促進や新陳代謝の向上、リラックス効果などが期待できるため、介護の現場では非常に有効な療法です。また、リフレクソロジーにあるタッチセラピーの効果で、心のコリを解きほぐすこともできると言われています。