リフレクソロジーの活かし方
高齢者介護をするご家族の心のケア
近年、高齢者介護と家族のあり方について注目が集まりつつあります。介護は人それぞれの形がありますが、多くの場合に共通して言えるのが、被介護者だけでなく介護者である家族の心と体に、大きな負担がかかっているということです。最近では、心身ともに追い詰められた介護者が介護うつになってしまったり、コミュニケーション不足が原因で家族の絆が綻びてしまったりといったことが増えてきています。
そこで今回は、介護職に就いている方ができる、高齢者介護をするご家族の心身のケア方法をご紹介します。
◆介護者である家族の心と体を癒すヒントとは
介護者の心身をケアすることは、その方が介護を続けていく上で大切なことです。
ここでは、さまざまな心身のケア方法をご紹介します。介護者の方にアドバイスする際にぜひ取り入れて見て下さい。
介護者が気持ちを吐き出せる機会を作る
高齢者介護をする家族は、周囲の協力が得られない場合、自分の生活のほとんどの時間を介護に費やすことになります。自分一人で介護をしていると思うようにいかないこともあり、不平不満やストレスが溜まることがあります。しかし多くの場合、それらを解消したり吐き出したりする機会がなく、自分の気持ちを押し殺して介護を続けるというケースが目立ちます。そのため、介護者の話や悩みを聞く、気持ちを吐き出す場を作るといったサポートが重要になってくるのです。
例えば、同じ境遇の人と介護の大変さを分かち合う場を設ける方法が大変有効です。似た境遇の方同士の集まりであれば、自分の本音をさらけ出したり、交流していく中で介護のヒントを掴めたりと、様々なメリットを得ることができます。
被介護者の状態を介護者に正確に伝える
被介護者の症状の進行度、精神状態などは、家族の介護のあり方に影響を与えます。そのため、被介護者のその時の状態や状況を介護者に正確に伝えることは、介護者に正しい対処法を行ってもらうという点からも重要なこととなります。
また、被介護者の状態を正確に把握することで、感情的にならず冷静に状況を把握した上で介護をすることができます。
家族は介護のプロでないことを、介護者本人に分かってもらう
家族が介護者である場合、被介護者が元気だった頃を知っているだけに、介護における悲観や落胆を感じてしまうことがあります。そのために、介護中に感情的になったり、思うように対応できないこともあります。しかしその感情は当然であるということを介護者に理解してもらい、介護者が自己嫌悪に陥らないようサポートしてあげることが大切です。
被介護者と家族が、介護以外で触れ合うきっかけを作る
近年注目されている療法に「タッチセラピー」というものがあります。これは、肌と肌との触れ合いを通してリラックスしたり、コミュニケーション力を高めたりといった効果が期待できるもので、介護の現場でも注目されています。
タッチセラピーの中でもリフレクソロジーは、全くの未経験でも学ぶことができ、スクールで学べば2.5カ月程で身に付けることができるため、介護以外でもさまざまな分野で取り入れられています。
介護者が気分転換するきっかけを作る
介護者は特に自分一人で介護をしていると、不安や悩みを一人で抱え込んでしまいがちです。適度に気分転換をさせてあげましょう。
気分転換する方法の一つとして、リフレクソロジーを取り入れるのもおすすめです。
介護者がセルフメンテナンスの意味も含めて自身に施術すれば、リラクゼーション効果を得ることができ、ストレス軽減に役立てることができるでしょう。
介護職に就いている方が、介護者へリフレクソロジーの資格取得をすすめ、被介護者とのコミュニケーションの手助けをしたり、まず自分自身がリフレクソロジーの資格を取得し、介護者に簡単な施術の指導をしても良いでしょう。
今回は、高齢者介護をする家族の心のケアとしてできる方法をご紹介しました。ご家族によっては合うもの、合わないものがありますので、それぞれに合った方法をアドバイスしてくださいね。