布団に入っても足先だけ冷たくて、なかなか寝つけない……そんな辛い夜を過ごしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。体は特別寒いわけではないのに、足先はかじかむほどに冷え込んでしまうのが、冷え性の特徴です。冷え性の方は、「自分は冷え性になりやすい体質だから……」と諦めてしまうことが多いようですが、冷え性になるのにはきちんと理由があり、そして改善することも十分に可能です。ここでは、冷え性の改善方法についてご説明しましょう。
体中には血管が張り巡らされていますが、まずは、心臓、内臓などの生命に関わる臓器に血液を送ろうとするため、足や手の指先への血液の循環は、基本的に後回しにされます。そして、全身に血液を送り出すポンプの役割が衰えたり、血管の柔軟性が失われたりしていると、末端まで血液が行き届きにくくなり、冷え性になってしまうのです。
これらの原因は加齢であることがほとんどでしたが、最近は若い方の中でも冷え性に悩む方も多くなりました。これは、ヒールや革靴などを頻用することにより、足先の血行が悪くなったことや、エレベーターやエスカレーターを利用することで、足の筋肉があまり使われなくなったりしたことが原因だと言われています。
「冷えは万病の元」と言われているように、冷えを放っておくと、体のあちこちに不調が現れるようになります。
冷えが生じるということは、血流が滞っているということですが、血流が悪くなると、むくみ、めまい、腰痛、頭痛、肩凝りなどを引き起こすことがあります。また、免疫力が低下することで風邪をひきやすくなってしまうこともあるようです。
また、女性は特に冷え性の影響を受けやすいので、注意が必要です。骨盤の血流が悪くなることで、子宮や卵巣の機能が低下し、生理痛、生理不順、更年期障害、不妊の原因になることもあると言われています。
冷え性自体は病気ではありませんが、体中にこのような不調が出ることに繋がることは否定できません。
以下で、足の冷えを感じている方に向けて、今からでもやるべき対処方法や、やってはいけないことをご紹介します。よかれと思ってやっていることが実は冷え性を加速させていることもあるので、注意しましょう。
靴を柔らかいものに替える
ヒールや革靴など、つま先が狭い靴や、硬い素材を使っている靴は、指先の血流が滞ってしまう恐れがあります。冷えを防ぐためには、スニーカーや冷え取り用ブーツなど、柔らかい靴にした方が良いでしょう。
運動をして筋肉量を増やす
運動をすることで筋肉量が増えると、基礎代謝が高まり体温が上昇しやすくなるため、冷え性の改善に役立つとされています。足の筋肉量を増やす代表的な運動としては、ウォーキングやスクワットなどが挙げられます。
運動が苦手な方や忙しくて運動の時間がとれないという方は、足首や足の指を上下左右に動かすというような、簡単なストレッチから取り組むことをおすすめします。
温めすぎはNG
人の体は、冷たくても温かくても、36度前後に保とうとする機能が備わっています。そのため、全身を温めようとすればするほど、体を冷やそうとする状態へ陥るのです。温めすぎは、冷え性を後押しすることになるので、体全体、足全体を温めるのではなく、足首だけなど、ピンポイントで温めると良いでしょう。
マッサージをする
筋肉をほぐし、血行を良くするためのマッサージは、冷え性に効果的です。手の親指と人差し指を使い、足の指を1本ずつ優しくマッサージしましょう。
◆冷え性改善に良いリフレクソロジーの効果
上記の冷え性改善法に加えて、根本的な解決のためにぜひ取り入れたいのが、リフレクソロジーです。リフレクソロジーとは、足の裏にある「反射区」を押す足裏健康法。
血行を促進することで、冷え性を改善するほかにも、ストレス解消やリラックス効果、自然治癒力を高める効果などが期待できます。それだけでなく、冷え性とともにむくみも解消されることで、美脚を目指すこともできるなど、さまざまなメリットがある健康法です。
足の冷えを緩和させるには、足のくるぶし周りにある反射区を刺激します。ここを刺激することにより、太ももの付け根にあるリンパの流れを改善し、血行が良くなることで、足の冷えを軽減することが期待できるのです。
次に、左足のみにある、心臓の反射区を刺激して血行を促進しましょう。第三指、第四指、第五指の下、親指の付け根あたりにあるでっぱりの延長線上にあるので、その辺りを刺激すると良いでしょう。
リフレクソロジーには、嬉しい効果がたくさん期待できます。リフレクソロジーを日頃のケアに取り入れて、足の冷え性を改善していきましょう。