機械を使わずに、人間の手で足裏に刺激を与える施術方法にリフレクソロジーと足つぼマッサージがあります。両者を混同する方が多いのですが、その施術方法や効能にはそれぞれに特徴があります。
ここではリフレクソロジーと足つぼマッサージの違いについてご紹介します。
リフレクソロジーの起源
リフレクソロジーの起源は古く、エジプト時代からともいわれますが、近代の形にまとめられた最初はアメリカであるといわれています。
アメリカ人医師ウィリアム・フィッツジェラルドが、痛みを和らげるためのセラピーを研究した「ゾーン・セラピー」という本を発表しました。それがイギリスやドイツなどヨーロッパへ広がり、さらには台湾や中国などアジア圏にも浸透していったといわれています。リフレクソロジーが世界各地で広く活かされているのは、こういった背景があるためです。
足つぼマッサージの起源
一方、足つぼマッサージは、中国の東洋医学から生まれたものだといわれています。リフレクソロジーよりも早く体系化されたともいわれることから、足つぼが近代リフレクソロジー誕生のヒントとなったと考える人もいるようです。
リフレクソロジーと足つぼマッサージの考え方は、まったく異なります。
リフレクソロジーは、「手・足・顔など体の末端に、全身の臓器や器官などが反映されている反射区(エリア)が存在し、反射区を刺激することで全身のバランスを整え、機能回復をはかると共に、リラクセーションを促します。メンタル面のケアにも効果が期待でき、自然治癒力や免疫力などの向上にも効果をあげる」と考えます。一方足つぼマッサージでは、「ツボは全身にあり、経絡という流れとつながっている。足裏にもツボはあるが、その数は少なく、足裏への施術であっても、全身のマッサージの一部としてとらえる」とされています。
足裏を刺激することによって、健康への手助けをするという点は同様ですが、その施術方法には大きな違いがあります。
リフレクソロジーは足裏の反射区(ゾーン)を刺激しますが、足つぼマッサージは足裏にある反射点(ポイント)を刺激します。
ちなみに、日本の法律では、医師以外でマッサージを行うことができるのは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持った人のみと定められているため、国家資格を持っていない人がマッサージという表記を使用することは禁止されています。
リフレクソロジーは、手や指などによって施術し、血流やリンパの流れを良くする、臓器系の機能の正常化、ホルモンのバランスを整える、痛みを和らげると同時に、心身のリラックスを促進する効果があるといわれています。
また、がん患者等のQOL(=Quality Of Life)向上にも最適なセラピーといわれます。
一方、足つぼマッサージは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を有する人の場合、指圧やマッサージを行います。鍼灸師の国家資格を有する人の場合は、灸や鍼を使ってつぼを刺激します。一般的にいわれる効果としては、臓器系の機能の正常化、肩こりや頭痛の改善といったものがあります。時に痛みを伴うこともあり、リラックス効果は期待されていません。