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認知症の家族とリフレクソロジー

85歳以上の実に4人に1人が認知症であると言われている現代。超高齢化社会に突入したことでその数が年々増えていくことが予想されるため、認知症の方への対応を学ぶ必要性が高まっています。

ここでは、認知症患者への接し方や、効果的だとされる補完療法としてのリフレクソロジーについて詳しく説明していきます。

◆認知症の人と接するときの心構え

いつ食事をしたのかわからなくなったり、家族のことすらわからなくなったりすることもある、認知症。認知症の方と接する際は、病気のことをよく知っておく必要があります。

 

認知症というのは、脳の病気で、「過去と現在の区別がつかなくなる」、「したことを思い出せなくなる」、「感情の抑制が効かなくなる」、「言われたことが理解できなくなる」といった症状が多く見られます。

 

認知症になると、その途端にすべてのことができなくなるわけではなく、徐々に体が言うことを効かなくなってきます。「こうしたい」という感情はそのまま残っているのに、体が徐々に言うことをきかなくなっていくことを実感するのはとても辛いことでしょう。

 

また、認知症になると感情の抑制ができなくなるため、突然泣き出したり感情をぶつけられたりしますが、相手を尊重して感情に寄り添おうと配慮することが大切です。

 

認知症は治らない病気だと言われていますが、症状を緩和したり進行速度を緩めたりすることは十分可能です。周囲の人の関わり方やケアによって症状が緩和されることもあるので、相手の人格を尊重して接することを心掛けましょう。ただし、頑張りすぎてしまうと自分がノイローゼになる危険性もあるので、家族の方々やヘルパーの方などと分担しながら、ほど良く息抜きをすることも大切です。

◆認知症の方への対応方法

物忘れへの対応

アルツハイマー型認知症の方に共通する症状のひとつに、直近の出来事を忘れてしまうというものがあります。

ついさっきまで話していた内容を忘れて同じことを繰り返し話したり、何度も伝えたことを忘れてしまったり……。そんな場合には、決してそのことを非難してはいけません。間違いを指摘したり、訂正したりするのではなく、そのときの認識にこちらが歩み寄って合わせることが大切です。

 

家族のことがわからない

認知症が進むと、これまで何十年も一緒に過ごしてきた、家族のことすらわからなくなってしまうこともあります。

また、自分の娘を自分の母親と間違えたり、夫をお客さんだと思ったり、ヘルパーさんを自分の家族と間違えたりといった言動は「二重見当識」と呼ばれる症状で、これに対しても間違いを指摘したり、訂正したりせず、相手の認識に合わせるようにしましょう。

 

食事したのに食べていないと言う

しっかり食事をしたにも関わらず「食べていない」と言って、繰り返し食べたがるのも認知症の症状のひとつです。

「今、食べたところでしょ」と否定したり怒るのではなく、「今から準備するから待っていてね」と答えたり、「もう少ししたらご飯の時間よ」と食事の時間がすぐだということを伝えて安心させます。どうしても欲しがる場合は、軽いおやつを少量食べさせるのも効果的です。

 

徘徊への対応

夜になると部屋から抜け出して、あちこちを歩き回るのも、認知症の方によく見られる行動のひとつです。理由もなく歩き回っているように思えますが、本人には何らかの目的や理由があると考えられています。

不安なことや心配なことはないか尋ね、否定するのではなく安心できる言葉がけをしましょう。また、外へ出かけたがる場合には、無理に押さえつけるのではなく、家族が一緒に出かけたりすることも必要です。

 

トイレ以外での排泄の対応方法

認知症の方がトイレ以外の場所で排泄をするのには、以下のような理由が考えられます。

 

トイレの場所がわからなくなっている

違う場所をトイレだと思い込んでいる

トイレまで我慢できない

トイレがその方にとって不快な場所である。

普段の生活の中から、どのケースに当てはまるかを見極め、それに合わせた対応をすることが大切です。

 

妄想への対応

認知症になると、「嫌われている」、「殺される」、「浮気をされている」などの妄想が見られるようになります。特に、何かを盗まれたと思いこむ「物盗られ妄想」はよく見られる妄想です。

妄想に対して、否定したり説明したりしても、その考えを変えることはありません。自分が疑われた場合、ショックを感じるとは思いますが、まずは本人の話を聞き、共感する態度で接することが大切です。

 

幻覚への対応

そこにないものをあると感じる「幻覚」も、認知症の症状のひとつです。

見えないものを「見える」と訴えられても、決して否定したり怒ったりしてはいけません。本人を混乱させてしまい、幻覚がひどくなる場合があります。

もしも「知らない人がいる」と言われたら「お客様かもしれませんね」と安心させ、「虫がいる」と言われたら一緒に手で払う仕草をするなど、幻覚を否定しないようにしましょう。あまりひどい場合は、お薬で改善できる場合があるので、医師に相談してみましょう。

◆タッチセラピーのひとつ、リフレクソロジーについて

認知症を患うと精神的に不安定になる方も多く、そんな時に人の温もりを感じられ、西洋医学的治療を補助する役目を持つ様々なケアの有用性も認識され始めています。

「タッチセラピー」は、手で直接触れることでぬくもりを伝え、心を通わせながら安心感を与えて、不安を取り除くことができる技術です。

 

リフレクソロジーもそのひとつで、素手で足裏を優しく刺激することで、手のぬくもりを相手に伝え、リラックス効果を与えると言われています。体と心のバランスを整えるのに有効とされるリフレクソロジーを受けることで、感情を表現するようになったり、落ち着きを取り戻したりする傾向が見られ、ここ数年、介護の現場でも認知症ケアとしてリフレクソロジーを取り入れる施設が増えてきました。

 

リフレクソロジーの資格を取ると、自分の手で大切な家族にタッチセラピーを行うことができるため、認知症患者とその家族とのコミュニケーションツールとしても有効だと考えられています。

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