ホスピスとは、基本的に完治が難しい末期症状の患者に対し、痛みを緩和したり精神的なケアを行う施設全般のことを言います。
近年では、ホスピスなどで末期がん患者などのサポートをするホスピスボランティアが注目されています。
ここでは、ホスピスボランティアの具体的な活動内容と、ホスピスボランティアになるための方法についてご紹介します。
ホスピス(末期がんのように、完治が難しい末期症状の患者の緩和ケアを行う施設)に入院している患者は、残された日々を少しでも快適に過ごし、安らかに死を迎えたいと望んでいます。そのため、まずは痛みを取ることを重視し、そのうえで患者が社会と関わりを持てる環境を作ることが大切です。
そこで、多忙な医師や看護師が十分に対応できない部分のサポートや、社会とのつながりを持ち続けるためのパイプ役となるのがホスピスボランティアです。
また、患者のご家族を精神的に支えることもホスピスボランティアの役割だと言えます。
そのため、特に作業がない時でも、患者やその家族、病院のスタッフがいつでも声をかけられるよう、ホスピス内に待機していることが多いです。
ホスピスボランティアの活動内容は、実にさまざま。患者の話し相手になりながら、食事やおやつ、お茶を配膳したり、病室の掃除、買い物、散歩の付き添いなどといった身の回りの世話を中心に行います。
また、病院内で行われる季節の行事や教室などを手伝ったり、庭の手入れなど、病院スタッフをサポートする役割も担っています。
その他には、音楽やダンス、本の朗読などのパフォーマンスや、将棋の相手、リフレクソロジーの施術など、ボランティアスタッフの特技を活かしたサポートも行います。中でも、近年注目されているリフレクソロジーは、痛みをやわらげたり、体力低下に伴う便秘の緩和や不眠症の改善、免疫力の向上などが期待でき、患者と話をしながら施術することでタッチセラピーの役目も果たしてくれます。そのため、リフレクソロジストをボランティアとして導入するホスピスやクリニック、メディカルセンターが増えています。
こうした活動やコミュニケーションを通じて、痛みや不安を緩和するサポートをし、患者やその家族が残された日々を快適に過ごしている姿を目にすることで、大きなやりがいを見出すことができるでしょう。
ホスピスボランティアになるためには、ホスピスを運営している病院などが不定期で行う募集に応募する必要があります。中には常時ボランティアを受け入れている病院もありますので、まずは直接問い合わせてみることをおすすめします。
また、ボランティア団体がホスピスに派遣するスタッフを募集している場合もありますので、そういったものもチェックすると良いでしょう。
多くの場合、面接後に研修などを行い、問題ないと判断された人のみが活動できるようです。
◆ホスピスボランティアに向いている人と向いていない人の違いとは?
最後に、ホスピスボランティアに向いている人についてご紹介します。
人の話を聴くのが好きというのは重要な要素です。ホスピスには大きな不安を抱えた患者が多いので、自分の意見を主張したり、安易な励まし方で話を遮ったりせず、患者の話をゆっくりと聴く姿勢が大切です。
また、患者の症状緩和が期待できるリフレクソロジーの技術を持った人も向いていると言えるでしょう。手で施術するリフレクソロジーは、温もりを感じることで高いリラックス効果が得られるため、ホスピスに需要の高い技術だと言えます。
医療の知識がなくても、ホスピスで活躍することは可能ですので、気になる方はチャンレジしてみてはいかがでしょうか。